自分の中の欠乏感の正体が分かると、人生は楽になる
成功して社会的に認められることから膨大なショッピングリストまで、私のウィッシュリストはいつも長ーいリストでした。
リストが次々と実現できているときはいいのですが、なにかの拍子に達成できないことがあると、そのたびに私は不幸感で感じていました。
そんなある日、ウィッシュリストがまるで脅迫状のように見えたことがありました。
そのとき、私にとってのウィッシュリストとは実は願望のリストではなく、ほとんどが欠乏感のリストであるように思えました。
最初はたしかにワクワクするウィッシュリストだったはずなのに…!
「欲が強い」とは「欠乏感が大きい」ということです。
欲深いというよりも、いくら手に入れても心の容器がいっぱいになってくれないという状態です。
自分にはなにかが足りない…
あれさえ達成できれば自信がもてるのに…
あれさえ手に入れば満たされるのに…
そんな感覚はどこまでも追いかけてきます。
それは「そのままの自分でよい」とはとても思えない欠乏した状態です。
自分は他人に認められないと価値がない…
価値あるモノで自分を飾ったり守ったりしないと居られない…
欲が強い人というのは、こんな風に感じているものです。
映画などに出てくる悪人も、悪いことをして得をしているというよりも、どれだけ手に入れても欠乏感が消えない…
心のバケツに穴が開いたような状態と言えると思います。
怖いのは、自分の欠乏感に気が付いていない場合の欲望です。
この欲は人から奪ったり、傷つけたり、その結果自分自身の人生を狂わせてしまうこともあるので注意が必要です。
欠乏感の正体が分かると、人生は少し楽になります。
ポイントは、「見たくない気持ちの奥を探る」ということです。
「自分の欲望の元となっていたのはこの欠乏感だったんだ」
そうやって自分の中にある欠乏感の穴を発見することができれば、過剰な欲望を満たし続けることの無意味さが理解でき、健全に諦めることが可能になります。
そうやって無駄な努力が減れば、欠乏を満たすだけではない、本当にやりたいと感じることが戻ってきてくれるかもしれません。