がんばっていることの8割が無駄だと認めると楽になれる~ネガティブな利他主義を卒業しよう

 

毎日みんな洗顔フォームで、顔からいろんな成分を根こそぎ落としたうえで、

食べ残した魚や豚から製造した「肌に必要な成分」と言われるものを塗りたくっている。

もともとあった、自分の遺伝子が自分専用に造った自分の肌に最適な保護成分の代わりに……

これはハリウッドセレブの話らしいですが、これを聞いたとき、「たしかに…」と思いました。

そういえば、美容をがんばっていないのに肌がきれいな年配の人はいるし、

そもそもなぜ俳優でもないのに肌の見た目が綺麗でないといけないのか?という心の話もしたいところはぐっと我慢しますが、

落とすのも足すのもどちらも「要らないがんばり」だったのなら…、なんだか笑えます。

無駄なことをして、それをカバーするためにさらに無駄なことをする…、無駄なことばかり。

自分が人生でいろいろがんばってきたことを思い返しても、

人生劇場…面白いです。

 

 

仕事も似たような感じだなあと思います。

先ほど我慢した「心の話」は、やはり放っておくことはできないので話すと、笑

心の問題と言っても、うつなどの話よりも、

一見健全なかんじで忙しく働いている人の方が、わたしは心配に感じることがあります。

たとえばだれかに安く使われるような、滅私奉公のような仕事をして、

それで自分は仕事をした=価値を生み出した…と心から信じているような場合、

なんというか…重症だなあ…と感じるのです。

その点、仕事とは金を儲けること!と割り切って考えられるような人は、ある意味で安心です。

たとえば自分の子供が、有意義かつ儲かるような幸せな仕事がなぜか無理だったとして、

もしどちらかにしかなれないのだとしたら、ぜひ後者になってほしいです。(ですよね?)

 

もし「心の問題」を解決できたら、仕事時間の多くを、利益を失わずに削減できる人は多いと思います。

どういう意味かと言うと、仕事を「価値を生み出すこと、お金を稼ぐこと」と考えると、

(「仕事はそれだけではない!」という論はとりあえずおいておく。というかそこに大きなトラップがあることには後でふれます)

それとは関係のない心の問題の対処のために、自分の時間の多くが割かれているということです。

「心の問題」とは、

目の前の人間関係を保つため…

嫌われないため…

できれば好かれるため…

役に立つと思われるため…

すごいと思われるため…

社会の中で存在感を感じるため…

というような動機です。

利益をあげることと、冷静に考えると利益とは関係のないこういうメンタルの欠乏問題を分けて考えることができると、

そしてそういうことをしなくても利益をあげている人はたくさん存在していることに気が付けると、

普段の自分の行動の、なにが仕事でなにが仕事ではないか?が理解できていきます。

今この瞬間自分がやっていることは、実は、本当のところは、内心では、無意識では、なんのためなのか?

群れの中での関係性からくる快感以外には興味がない、もしくはその恐れでいっぱいな、おサルのころからの自分のエゴが、

「これは仕事だ」と言い張る前に、

本当の動機を探り当てることができると、自分の人生の無駄に気が付くことができます。

 

 

その観点からは、たとえばうつの人とは、

社会でいう「仕事」が無駄なことばかりであることに気が付いてしまって、生きる意味を失ってしまった人…という見え方にもなってきます。

うつな人とは、人類みんなが群れの中でのやり取りに翻弄されている中で、

「それって本当に人間の人生?」「猿の毛づくろいじゃなくて?」と疑問を持ってしまったような人だったりする気がします。

とはいえ、あまりにも先へ行きすぎると苦しいから、

人類なんて…人間なんて…自分なんてこんなもんだ…と、グレーのままでもいいから自他を赦せたら楽になれるかも…と思ってこのブログは書いていますが、

気づき自体は、とても正常だとわたしは思います。

 

うつの人と紙一重だなあと思うのが、社会的な大成功者です。

うつの人と大成功者の共通点は、ともに「人間の実利とはなにか?」というところに焦点が当たっているところかなと思います。

違いは、前者はすごく恐れているので諦めていて、後者は恐れなくていいことによって楽しめていること…ではないかと思います。

そういう「恐れるか恐れないか?」の気質は、生まれ育ちで決まっています。

大成功者はもちろん心配ないです。

でもうつの人も、「あー自分の感じ方は真実だけど、生まれ育ちの事情で方向がネガティブなだけなんだな」と気が付けたら、

同じ高い絶対値においてポジティブな真裏へ行ける可能性が生まれるので、夢があります。

 

ここでやはり心配なのは、ふつうのレベルで恐れている人…です。

ふつうのレベルで恐れている人は、自分の時間の多くを、無意識にもそんな恐れへの対処に使っていて、

たとえ無駄であってもそれをめげずにやれてしまう…というところが、一般的に言う「健全」ということなのかな…と、少し乱暴ですが思ってしまいます。

こういう観点からは、やりがいを重視し過ぎる「天職」という言葉も、

一般的には健全なイメージでも、承認欲求と合わさると利用されることと紙一重で危険な感じがするので、

最近ではわたしは自他を惑わさないために使わないようにしています。

 

 

育ちの中で、自分がもともと持っていた好奇心や良心など、そういうものをぜんぶ根こそぎクレンジングされたあと、

人生が義務感や罪悪感や欠乏感で動く仕組みになってしまった場合、

自分本来の生きる力がどのくらい残っているか…、心配です。

うつぐらいまで行った人は、それまでの人生で希望が持てなかった半面、

不必要なものを捨てたことで、もしかしたら本来の元気がV字回復する可能性が生まれたようにも見えますが、

心配なのは、気が付かないまま、たとえネガティブな方向でも良かれと思って利他的にがんばっているような場合です。

傷が浅い場合は老後までもってしまうかもしれないけど、

一般的にはそれを「健全」とか「いい人」とかよぶのだろうけど、

でもなんだかどこか悲しい話に感じます。

 

これまでの人生でネガティブな意味で利他的に生きてきた人は、

自分の人生の貴重な時間=人生そのものの、ひどいときは8割くらいまで、無駄に失ってしまっていた可能性があると思います。

(それ以上失うとたぶん生きていけない。うつの人とは、それ以上を失うような体験をした人だったりすると思う)

それが何割か?を知りたい場合は、

自分の行動を時間単位で把握し、それぞれがなんのためだったのか?を奥深くまで正直に検証することができると、

現実的に自分の時間の何割が無駄だったのか?を正確に知ることができます。

それがすごく大きかったことが判明すれば、「変わりたい」という新しい動機が生まれることにもつながると思うし、

実は余力がたっぷりあったことにも気が付くと思うので、

一度時間をとって取り組んでみるといいと思います。

 

 

いったん気が付いたら、やってもやらなくても実利に影響のない…どころか、自分が磨り減るだけのネガティブな利他的なことはやらなければいいし、

やるのなら、今後は恐れからではないポジティブな動機で、自分の喜びのためにやればいい。

やらないのなら、その余った=新しく生まれた8割もの時間で、

こんどこそ自分のために仕事をして稼いでもいいし、

小さい子供がいるならその子との時間を生きてもいいし、

それまでは自分自身をそっちのけで他人のために走り回ってきた生活から一転、ついに自分自身との時間を生きる!せっかくこの世に生まれて自分に出会えたのだから!という選択も可能になります。

恐れの問題は生まれ育ちの問題だから、もしかしたら一生消えないかもしれないけれど、

恐れがあることを認めて→恐れていてもOKと自分を赦せると、選択肢は増えるものです。

 

ちなみにわたしの場合は、昔は人間関係の悩みや自分がどう見えるか?など、業績とは関係のないことを睡眠時間を削ってがんばっていたのですが、

「子供が幼いうちに育児休暇生活を送りたい!」という強い思いのおかげで、それに比べると無駄なことをやめる勇気を持つことができ、無期限の育児休暇生活に入ることができました。(わたしにとっては天地がひっくり返るような変化で、あまりにも恐ろしくてしぬかと思ったが)

 

(関連コラム)

一般的に言う「人格」とは毛づくろいみたいなものだと理解する

相手はこうするべきだ、で苦しんでいる人へ(ニーディの悲しさの解説)

 

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内心、「ネガティブな利他主義」をやめたいと願っている人は、そうはっきりとは自覚していない人も含めると、とても多い気がします。

コロナは人によって受け取り方が様々だと思うけど、

これまでお団子のようにべったりねとねと一丸となって生きてきたぼくら日本人にとっては、

「お互いから離れろ」とこれ以上はあり得ないほど明確なメッセージを受け取ったことに、

大変なことも多い中で、不謹慎を抜きにすれば、

内心不思議な希望を感じている人も多いのではないかなという気がします。

もしそう感じた自分がいたなら、それはぜひ肯定してあげてほしいです。

新しい道は、そんな自分を肯定できると、見えてくると思います。

 

世界中の全員が、いっぺんにこんな短期間で変化するなんて(願わくば進化)、…なんともすごい時代です…!

 

 

 

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