メンタルの問題をポジティブに扱う方法
自分のメンタルがどういう状態にあるのかを自分で把握する技術を、「セルフ・アウェアネス」と言います。
現代のビジネスでは必須の能力です。
メンタルの問題があってもなくても、あるのか?ないのか?を把握していなければ、その人の心の中は謎です。
もしあるのであれば、それはどういう特性のもので、どのくらいのリスクになり得るのか、それとも活用できる用途があるのか?
そういうことを自分自身で把握できていなければ、現代では「できるビジネスマン」とは言えません。
少し前であれば、何事もないように振舞うことが、日本人にとっては門構えとして大切でした。
でもそれは、何事もないようにしていないと誰かに弱点を見抜かれるかもしれない…という不安の感情からきている可能性があって、
その場合は、何事もないように振舞うことをがんばっている時点で、すでに自分の中に「何か」問題の種がもうあったりします。
そしてその「何か」を自分で認識し、それが弱点なのであれば対処しなければ、それは本人だけでなく周りにとっても予想が不可能なリスクになってしまいます。
この場合は、問題解決よりも自分がどう見られるか…を優先している状態と言えます。
また「盲目的にがんばる」ことも、現代ではリスクの高い仕事の仕方だという認識が広まっています。
がんばること自体が目的になっている場合、心理的には「すでに失敗する準備ができている状態」にある可能性があります。
また盲目的にがんばる動機は、主に「恐れ」ですが、そういうがんばりは「恐れ」がなくなったときには尽きてしまいます。
常に恐れを与えられる上司の下でしか成果が出せない、というビジネスマンは多いものです。
そしてそういう場合の真の動機は、小さいころから漠然と願ってきた「許してほしい」だったりします。
以前は、「能力とは理性の力」と考えるのが常識的でした。
でも今は、たとえば日本の家電メーカーがどれだけ組織力でがんばっても、ジーンズにタートルネック(あとニューバランスだっけ?)の男一人の発想力に勝てない、みたいなことが起こってしまう時代です。
感情の力は、理性によるがんばりよりも何倍も大きな力なので、その力をうまく使いこなせなければ、現代の競争には勝つことはできません。
ローカルビジネスでも、もしライバルが仕事に楽しく熱中しているのに、こちらは本音ではつまらないと思いながら仕事をしていたりすれば、現代のお客さんには見抜かれてしまうでしょう。
その場合は、自分が心から熱中できる仕事の形に、早急に切り替える必要があるかもしれないし、
すでに手遅れなほどつまらなくなっているとすれば、思い切って道を変える必要もあるかもしれません。
自分の心を直視し、リスクを把握し、でも回避するだけでなくチャンスとしても見る、
そうやって恐れの感情に流されずに、ポジティブであろうとネガティブであろうと自分のすべてを使っていくんだという姿勢があると、
リスクは減りチャンスは増えることになるので、仕事は楽になっていくと思います。