それは「怒り」ではなく「恐れ」かも

誰かに腹が立つ…というとき、それは多くの場合「怒り」ではなく「恐れ」。

「これは怒りに違いない!」としか思えないようなことも、根っこまで掘っていくとたいていは「恐れ」

…という気がする。

その恐れが大きいほど、生存本能=エゴはアドレナリンで解決しようと、そのネガティブなエネルギーを、似た種類でありさらに利用価値のある怒りエネルギーに変換する。

そういう意味では、怒っているときというのはポジティブに言えば、生存本能=エゴがまだ諦めていなくてどこかでまだなんとかなる…と感じている状態で、

恐れを怒りで解決するのは生物としては当たり前のこと。

 

ただやっかいなのは、自分の生存本能=エゴというのはなかなか狡猾であること。

怒りを発動してみて、周りに対して自分にとって利益になる影響があったことに気がつくと、エゴはすぐさまそこに「欲」を加える。

その瞬間にはもうただ助かるだけではない、自分が得をするためのわりと具体的なプランや、そこまでではなくてもすでに望みははっきりしていたりする。

そんな脳の動きはあまりにもスピーディなので、当人は一番最初の恐れや、あとは怒りのあとに湧いた欲についての記憶はなく、自分は怒っているから攻撃して当然…くらいの認識しかもてない…

…とそう思い込むことも、怒りにエネルギーを全集中するための生存本能=エゴによる自分に対してのトリックかもしれない。

 

 

そういえば昔、異業種交流会のときだったか、ある独立したいという人の相談を受けたことがあった。

その人は勤め先のやり方の汚さについて延々と怒っていて、それだけだとなるほどとなるのだけど、

でもその人が主張していたのは、要するにだから自分はお客を全員引き連れて独立するべき…ということだった。

わたしは大した実害にまだなっていない段階のエゴにはわりと優しいタイプなので(笑)、全容を理解したくて聞いていると、その人はふと自分のエゴの暴走に気がついたようだった。

結局はお客を盗まずに起業するという正攻法によってその後順調に軌道に乗っていったけれど、

それでもそのスタートはやはり恐れで、恐ろしい父親に似た上司の毎日のいじわるが事実だったであろうことはとても悲しかった。

 

 

話が恐れから欲へと逸れてしまったのは、怒りにはそのように少なくとも2つの側面があると思うから。

わたしのエゴももちろん、自分の望みを叶えるために怒りを利用することがある。(とあとで気がつく笑)

でもそういうときは、たとえ望みが叶ってもアドレナリンによって心の平穏やその人生の時間を失ったことに気がついて、あとで虚しくなる。

問題が解決したあとに振り返ると、自分は問題を解決したかっただけであり、解決したあとには怒りなど思い出せないほど過去のことになってしまい、

それなら問題が解決さえすれば、怒りもそしてその大元の恐れも不要では?と思わずにはいられなくなる。

というか合理的に考えるなら問題さえ不要で、望みだけがあればいいのだという気さえしてくる。

ものすごく大きな視点にがんばってなってみれば、そうすればそもそも他人を自分の物語に巻き込まなくてもよくなる。

とはいえ小さな視点へ戻ってしまえば、されたいじわるは事実で辛い…

と行ったり来たり。

嗚呼…人生のBlues…

 

 

個人的な印象では、恐れが怒りへとまだ暴走しきっていない段階であれば、十分に対処は可能かなと思います。(→瞑想)

怒りを使わない恐れを感じるのは怖くてたまらないけれど、

個人的にはそれが「古い恐れに過ぎなかった」と十分に気が付いただけで、文字通り「それだけ」で、

なんだかよくわからないけど問題が解決してしまった…ということはよくあって、

要するにぼくらは、進化的には古い恐れを洗い出して手放しているだけ…なのかもしれないなあなんて、思ったり思わなかったり…(視点の大⇄小間の移動に伴って笑)

 

 

 

弱さがダークサイドへと堕ちてしまう悲しさをコメディで学ぶなら、このドラマがおすすめ!

これとともに千と千尋~を観かえすと、カオナシへの理解もさらに深まります。

理解してくれる人にだけ怒りが湧いたり、自分が影響を与えられる場合にのみ怒りが湧いたりといった、自分の生存本能特有の怒りの構造を学ぶには最適教材の一つではないかと思います。

 

 

(関連コラム)

なぜ近い人を粗末にしてしまうのか?の心理

 

 

 

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