子供から「逆切れ」の力を奪ってはいけない

ゴーンさんが経費や請求を多少ごまかしたのは事実なんだろうけど、なにかしっくりこないのは、「罰する方の動機」の部分かなあなんて個人的には思う。

気に入らないから→罪を探す。

嫌いという感情が先にあって→それを正当化するために思考する。

要するに出る杭を打ちたいから→そのために法を使う、法をつくる。

ホリエモンのときもそうだったけど、要するに出る杭が嫌いなだけなのがみえみえなのに、それを別の話にすり替える感じがなんだか怖い。

健全な権力への抵抗とはなにかが違う、どこか個人的な怨念を感じる。笑

そんな日本の村八分を目的とした古めかしい司法も権力だけど、まあゴーンさんも権力だったからどっちもどっちで、とくに支持しようとは思わないけれど、

この話は「正しさとは関係がない」気がする

 

目的のために理由を探す感じは、政治でも定番。

得たい結果がまずあって、それに合わせて問題を創り上げていく。

たとえば、兵器を消費したいから、戦争をする。

ちなみに双方にお金を貸して戦争で利益をあげる手法はロスチャイルドの発明とのこと。そして利益をあげた人が争いを仕組んだ人であるという見方は、日常生活でもそういうことがあると思うし、的を射ていると思う。

そのときに正当な理由で相手を罰するために、相手の間違いを探す、もしくは相手に間違いをおかさせるよう仕向ける。

大衆感情は、賢い彼らの目的のための駒に過ぎない。

そして大義さえ手に入れたら、もうなにをやってもOK。

英語には、相手を叩きたいときに「パールハーバーが必要だ」みたいな言い方があるけど、

フランスの自由もアメリカのジャスティスも日本の村八分も、まあ似たような感じだと思う。

今回のような、顔のない軍隊アリみたいになっちゃう日本人の戦い方は古くさくて恥ずかしいけど、日産を取り戻すために、政府もいちがんとなって思い切りやったらいいと思う。

どうせどこにも正義なんてないんだから。

 

日本のルール決めは、上下関係をベースとした権力であることが多い。

ボールで遊んではいけません。

走ってはいけません。

並びなさい。

あいさつをしなさい。

欧米人なら「なぜ?」「権利は?」となるこのあたりも、ぼくら日本人は当たり前だと思ってきた。

上が一方的にルールを決め、それを破ったら悪い子とされ、議論の余地はなく、罰も与え放題。

上下関係がベースにあるそんな場面では、日本はときに人権の無法地帯となる。

そこには、ボールで遊ぶ権利も、あいさつをしない権利も、意見する権利もない。

ルールを破ったかどうかの議論の前の、ルールがそもそもフェアかどうかの議論が、日本には明らかに足りていない。

まあみんな自分がそうやって不自由に育ってきてしまったから、そんなフェアなイメージが持てないのは仕方がないが…。

一方的でまともな議論ができない、先進国らしくない危なさが、まあ自由の国フランスから来たゴーンさんの指摘したいところなんだろうけど、

日本人という民族の前時代的な危険さを察知できなかったゴーンさんは、残念ながら少し甘かったと思う。

 

でもゴーンさんが簡単に観念しないのは、日本の、とくに若い人たちにとってはたぶん良いこと。

こういうことは、日本人自身も閉塞感を感じ始めている気がするから。

「逆切れ」という言葉は、たしか芸人?が発明したらしいけど、日本人はそれ以降ずいぶん不自由になった気がする。

「お客様は神様」以来の不自由の拡大かも。

でもゴーンさんが簡単に屈せず、ときに逆切れしながら反論するのは、「そういうのもアリなんだ?」という気づきになるかもしれない。

廊下に立たされて責められている子供は(最近はそういうことはないらしいが)、「あれ?動いてもいいのかも!」と気がつくかもしれない。

一方的に責められるだけじゃなく反論していいんだ、と思えるかもしれない。

自分が責められる立場になってしまった場合、正しさや権力を突き付けられると誰しもひるむけど、目的が相手の利益な場合は抵抗しなければならない。

でも立場が弱い場合はそれは難しいから、逆切れが必要。

 

子供に逆切れさせてあげるような機会は、大人は気分は悪いかもしれないけど、子供を健全に育ててくれる。

外の世界は、(宗教っぽいものが生まれてから)数千年続く陣取り競争の嵐。

その陣取りとは、「どちらが正しい側のポジションをとれるか?」という争い。

強い者はルール側に立ちやすい。

でも最近は、弱さを正しさとして活用するしたたかさも、めんどくさい時代でもある。

自分が理不尽に相手を食べるのはできれば避けたいけど、

正しさを振りかざして上からも下からも追いかけてくる現代のプレデターみたいな相手に食べられないためには、

ときに逆切れが必要になる。

逆切れでしか助からないケースは多い。

だから子供の幸せと安全を願うなら、逆切れの力を奪ってはいけない。

 

ちなみにわたしは、子供が逆切れをしたら、後日そのことを褒めるようにしてます。(その当日はわたしの権力が腹が立てるので無理。笑)

 

 

Yusuke.Yokohamaサービス一覧

<経営コンサルティング>
経営者が自由になれるための仕組みづくりがコンセプトです。実務のサポートも可能です。
中小企業経営コンサルティング

<個人向けマインドフルネスコーチング>
自分の動機の出どころを理解し、自分の本質とエゴの両方を活用できる観点を見つけます。
マインドフルネスパーソナルコーチング

OFUSEで応援を送る

コメントを残す