善悪はどちらかといえば逆だったなあ

わたしの中で、30年前と感じ方が真逆に変わったことが一つあります。

それは、それまで「悪いやつ」だと思ってきた人たちが、実は心がまともな人間だった!と気が付いたことでした。

 

わたしは学生のころ、いわゆる「不良」が苦手でした。

自分の問題を認識しないまま他人にからむ感じがめんどくさいなあ…とよく思ったからです。

ぼくらのころの不良の先輩と言えば、自分からわざわざ目立つ服装をしておいて、誰かがそれに目をやると「おまえなに見てんだ」とか…もうなにをしたいのか?意味が分からなかった。

ちなみにわたしにはそれを「見ない」技術があったけど、一緒に通学していた友達はつい見てしまうタイプで、毎日絡まれていました。笑

しかしその友達も3年生になるころには無事にヤンキーになり、下級生に対してのそんな権力をもつようになっていました。

アメリカへ行ってからも感じ方は同じでしたが、わたしが行ったころは不良といえばハードロックが半分で、あとはヒップホップが出たてで半分、という感じでした。

アメリカの学校には上下関係はなかったけど、ただパワーの誇示という意味ではもう少し過激な感じだったので、さらに気をつけた覚えがあります。

 

 

ただ謎だったのが、そういうタイプの一部がなぜか女性にモテることでした。

そこには「単に強そうな雄だから…」というだけではないなにかがあるようで、

しかも心が純粋な女性ほどそういう悪そうなやつに惹かれるようで、若いころはその意味が本当に分かりませんでした。

男あるあるで、わたしもそのためだけに悪くなろうとしたこともありましたが、でもその真意が掴みきれず、(←動機が不純だからそもそもずれているのだが)

そういう嫉妬心からか、当時はハードロックやヒップホップが嫌いでした。笑

18歳くらいのころはAC/DCは頭がおかしいと思っていたし、ドクタードレーってなんなの?名前も意味が分からないし怖すぎ…と思っていました。

でも今では遅ればせながらそれらの音楽が大好きだし、それらが生まれるに至った経緯も理解できるようになり、それを好きになる気持ちがよく分かるようになりました。(AC/DCは大きくて心優しい感じだし、Dr.Dreは戦うよりも繋げる感じでしかも頭脳明晰)

 

要するにそういうことのわたしにとっての意味はなんだったのか?と思い返すと、今思うと彼らのいわゆる「不良」な態度は、

まあ彼ら自身のストレス発散でしかない場合はまずはセラピーが必要だろうと思うけど、でもそれを超えたタイプの場合は、

「偽善との戦い」だったんだなあと思います。

なんの武器もない中で、権力や偽善による搾取から身を守るには、ああなるしかなかった。

そういう、動機が純粋で気合いが入ったタイプは、サピエンスというよりも人間として新しくて、たしかに魅力的だなあ…と、(ルール側に立って権力で奪う無意識なおサルとそれに抵抗する意識ある人間…という構図)

でも彼らだけでなく、そういうことが時代的に早めに理解できていた人たち(そういう音楽のファン)にも、今はわたしは尊敬の気持ちを感じるのです。

そういう新しさはようやくわたしにも波及し、そうやって世界の価値観が少しずつ変化していくんだなあと…

 

 

不良が生理的に苦手だったかつてのわたしは、育ちが彼らよりも安全だったからそういう危機感に気が付かなかっただけで、自分はどちらかといえば無意識にも権力側に属していたかもしれない…

彼らは現代の悪(=偽善)というものを肌で感じているけど、でも偽善側は恵まれているし立場が強いから、自分を善だと思いこんでいる…

たとえ悪気がなくても自分が抑圧している側であることに気が付かない…

自分が恵まれていて強いからできるに過ぎないことについて、それが不可能な生まれ育ちの人たちに対して、同調圧力をかけていることに気が付かない…

群れでもって匿名で立場が弱いものを安く買い叩いたり利用してしまっている一員であることに気が付かない…

上下関係を文化だと信じ込んでいる。「尊敬する」のは文化だけど、「尊敬させる」「気を使わせる」のは権力であることに気が付かない…

権力側にいると、責任を追求する衝動と自分本来の心の優しさのバランスがおかしくなる…、エゴが爆発する…

そういう弱肉強食式ではない人間らしい平和を実現するためには、権力側が自分のエゴを自覚するしかないんだなあと今は思います。

しかし、自分の愛する子供の子育てでさえ、自分が教育だと信じていたことが実は権力だったことに気がついてしまったりと…悲

とてもとても難しい話だと感じます。

 

あとは大きな話ではたとえばテロも、そこだけを切り取ると犠牲者のことを思えばたしかに悪でしかないのだろうけど、

でもテロを生み出しているのはアメリカかもしれない…という話しや、ヒトラーを生み出しのはドイツ人を経済的に追い詰め過ぎた国々(主にフランス)だったり…みたいな話を、

切り取られた話の前の部分まで知ってしまうと、正直知れば知るほど「そらそうなるわな…」と思ってしまう…

そして、善悪とは単純なものではないなあと、とくに権力側が主張することには気をつけないとなあと、

歳を重ねていろいろと理解が進むほどに、混乱していくのです…

 

 

 

でも少なくとも今は、こういう脳がまともな人たちがいてくれてありがとう!と思います。

↑英語圏でのこのなかのHiroshimaという歌詞に、ぼくら日本人はずいぶんたすけられていると思う

なんだかRATM祭りになってしまいましたが…

若いころはわたしはブルーハーツも忌野清志郎も理解ができないお気楽なタイプだったけど、今はそういう音楽が今の日本にももっとあったらいいなあと思います。

 

と思ったら、最近はこういうのがテレビの外から出てくるようになり↓

子供たちに話を聞くと、これが出てきた界隈ではしばらく前からすでに大きなムーブメントが起きていたそうで、

そういう音楽を聴いてみると、新世代はやはり新型なんだなあ!となります。

(わたしと違い、異性にモテたいという動機すら不要になりつつある新しさを感じる!)

新しい世代はこれまでの内弁慶から卒業し、きっと外側の偽善へも「うっせーわ!」と、健全に言えるようになるでしょう!晴

MVもなんだか……すごい!

 

 

 

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